ラジオ小説第6話 (最終回)

2011.09.02.20:00

     9月2日(金)

 放送日 毎月第1金曜日     19:00~19:30
(再放送)毎月第2土曜日     11:00~11:30 



原作       MOTO-TOMO
構成       桜塚 れい

◆ メインキャスト ◆

ケンジ               MOTO-TOMO
ハルミ・ウエイトレス      桜塚 れい   
マスター              西野 武流
ナレーション           奈良純


        ラジオ小説 最終回

      ・・・・・ 出会いと別れ・・・・・


峠のカフェで、ツーリング中に出会ったおじさんが運び込まれた。
救急車で運ばれてるまでに応急処置を施したハルミ、
おじさんのバイクを引き上げてくることを約束したケンジ。
見送った二人はおじさんが無事に回復することを祈りながら、カフェ店内に戻った。


しばらくして、
「はぁい、お待ちどうさま!」
と、ウェイトレスがパスターを運んで来た。
「わぁ、美味しそう いただきます」
と、二人はフォークを手にした。
ケンジはフォークでパスターをクルクルと巻きながらハルミに話かけた。
「なぁ、ハルミ さっきの応急手当て すごかったよ」
「え、まぁね。 会社で習ったのよ。」
とハルミは照れ臭そうに返事をした。
「・・・それより あのバイクてSSよね?」
そう言って中央にディスプレイされている赤いイタリア製のバイクを指差した。
「うん、ハルミ良く知ってるね。そうだよSS。
 マスター このバイクはマスターの?」
「いや、うちお客さんのバイクなんじゃ」
「お客さんの? どうして此処に・・・?」
「今、彼は海外にいてさ、青年海外協力隊で活動してるんじゃよ。
時たま来てくれるお客さんでね、
海外に行くのでバイクを手放そうと思ったらしいんじゃが、
思い出のあるバイクなんでどうか此処に置いてもらいたいと頼まれたんじゃ。」
「へぇ、海外・・・協力隊、すごいね。」
「名前は、聞いていいですか?」
「確か、ジュン。 青木ジュン君だ」
カララン♪ とハルミの手からフォークが外れて床に落ちた。
「・・・あ、ごめん。 落としちゃった」
ハルミはフォークを拾い上げてカウンターの方に歩きながら
マシンのサイドカバーを見つめた。
サイドカバーにはJ&Hとイニシャルが書いてある
それは、ハルミの記憶にあるイニシャル記号。J&H

「間違いない。やっぱりジュンのSS・・・。
 すみません、フォーク交換してくれます」
「はい」 
「ありがとう」
と言い席に着いた。


今、ハルミの脳裏には学生時代の思い出が映し出されていた。

彼のバイクの後ろに座っていたあの頃を・・・・。


「ジュン、この赤いバイクを買ったの・・・?」
「ああ、良いだろう。ハルミ、後ろに乗せてあげるよ。はい、メット」
とハルミの頭にサラダボールみたいなメットがのっかって来た。
「え~、大丈夫???」
「大丈夫さ!!」
とジュンが答えた。
二人のデートには、いつも赤いマシンが輝いていた。
そんなある日。
「医大を卒業したら俺、海外協力隊に入って苦しんでいる人々を助けたいんだ」
とジュンが真剣に話掛けた。
「どれ位の間??」
「判らない。俺の一生を海外協力隊に捧げたい。」
目をそらすことなく、真剣なまなざしでジュンは答えた。
「・・・一生?・・・」
衝撃で返す言葉はそれしかなかった。ただただ、ハルミは静かにほほを濡らした。
「ごめん」
流れる涙を指でぬぐいながらもジュンの答えは一つだけだった。


「おおい、ハルミどうした?」
「あ、ゴメン! 天気が良くてボーとしていた。ハァハハハ」

マスターの話を聞いた瞬間から、
険しい顔になっていたハルミだったが、いつもの顔に戻った。

目当てにしていたパスタを楽しんだ二人に食後のコーヒーとともに
アイスクリームがセットでテーブルに置かれた。
「え?頼んでないですけど?」
「これはわしからのサービスじゃ。」
ニッコリと笑いながらこっちに来たマスターは、
隠していたストロベリーソースを後ろから取り出して、
ハルミのアイスの上にそっとトッピングした。
「彼女にはもっとサービス。さっきは助かったよ。」
「いえいえ」
「あ、バイクの件なんですが、さっきキーに書いてあったバイク屋さんに連絡したら、
取りに来てくれるそうです。お店の住所と連絡先を伝えておきました。
マスターに鍵はお渡ししますね。」
ケンジはポケットの中からおじさんのバイクのカギをマスターに渡した。
「まだ暑い時間じゃ。もうちょっとゆっくりしてから出るといいよ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」


その後、しっかりと休憩した二人は「御馳走さま」と言葉を残してカフェを後にした。
「さあて、行くか。」
とケンジはマシンにまたがりKEYを差し込んだ。
ハルミもエンジンを掛けてクラクションを鳴らし、ヘルメットのシールドを閉めた。

ケンジのマシンとハルミのマシンが走り出した。

ハルミの涙。
帰りにハルミのヘルメットのシールドが少し曇っていた事も
この時のケンジは知る由も無く・・・
理由を知ることになるのは、それからしばらくしてからの事だった。



“人生は旅である”とたくさんの著名人は言う。
旅先ではいろんな出来事や誰かと出会うだろう
ほんの数時間前までは見ず知らずの他人が
今は自分の記憶に刻み込まれる人になる
まぁ、旅先に限った事ではないが・・・・・・

そんな幾千も幾万もの出会いにドキドキしながら
今日もマシンを走らせる。

出会いと別れ、両極端なこの言葉にたくさんの人生が刻み込まれる


               ・・・つづく


モト友のバイク☆ライフ
ラジオ小説
原作 MOTO-TOMO
構成 桜塚 れい


※ MOTO-TOMO 

    いかがでしたでしょうか?
    6話が終わってしまいました。
    この小説のタイトルがマダ決まっていません!
    リスナーのみなさんで、タイトルを考えていただけませんか☆
    宜しくお願いします♪

    ケンジとハルミのお話は続きますが、しばらく休憩です。

    次回からは、桜塚れいちゃん作の小説が始まります。
    お楽しみに!!

聞く(ラジオ小説のみ)
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