ラジオ小説 第5話 峠

2011.08.05.22:05

    8月5日(金)

 放送日 毎月第1金曜日     19:00~19:30
(再放送)毎月第2土曜日     11:00~11:30 



原作       MOTO-TOMO
構成       桜塚 れい

◆ メインキャスト ◆

ケンジ               MOTO-TOMO
ハルミ・ウエイトレス        桜塚 れい   
トライアル車乗り・クマさん    西野 武流
ナレーション            奈良純


       第5話  

      ・・・・峠・・・・・

峠の山道を二台のバイクが滑っていく。

青い空
山間のスロープの下に見える小川の水の流れ
鳥の鳴き声 
風が体を通り抜けていく
これが、すごく気持ちがいい。
この感触がたまらない。
ハルミ「バイクっていいね」
ケンジ「ああ」

ケンジと走りながらハルミとの会話を思い出す。

グオ~ン グオ~ン オ~ン
峠の山頂に建っている赤い屋根のイタリアンカフェがシールドに映って来た。
太陽の光を浴びてルビーの様に輝いて見える。
2機のマシンは、心地よいサウンドを響かせチェンジダウンをしながらイタリアンカフェの駐車場にマシンを止めた。

カッチン・チリリン♪

ウエイトレス「いらっしゃいませ、お二人さんですか?
       どうぞ、お好きなテーブルにお座りください」

2人は、バイクが見える窓際のテーブルに席を取った。

店内は洒落た雰囲気の造りで 中央に赤いイタリア製のバイクがディスプレイしてあり店内を明るくしていた。

ウエイトレス「何にされますか?」
とウェイトレスが注文を取りに来た。
ハルミ「そうね、私は 森のきのこパスタ、アイスコーヒーで」
ケンジ「じゃあ、俺は ポローニアミートソース。俺もアイスコーヒーで」

ウエイトレス「かしこまりました。カフェはいつお持ちしましょうか?」

ハルミ「食後で」
ケンジ「俺も!」

ウエイトレス「ハイ、かしこまりました。しばらくお待ちください」

ハルミ「ケンジ」
ケンジ「うん?」
ハルミ「ポローニアミートソースて美味しいの?」
ケンジ「さぁ? 」
ハルミ「さぁ?って・・・知らないで頼んだの」
ケンジ「シェフのお勧めて書いてあったから」
ハルミ「もう、ケンジたら」

二人が注文を済ませ、駐車場に止めたバイクを眺めながら雑談をしはじめたころ、一台のトラックがも のすごい勢いで入ってきた。

ブロロロ~ン♪ キィ~ッ バタン  カラ~ンコロン♪

慌てて止まったトラックの中から大きな男が出てきて店に飛び込んで来た。

クマ「おぉい、悪いが誰か救急車を呼んでくれ!」

ウェイトレス「どうしたの? クマさん慌てて」
奥から慌ててウェイトレスがフロアに出てきた。

クマ「沢で怪我人を見つけたんだ」

ケンジは、この男が乗って来たトラックを見てみると荷台には籠に入った沢山のキノコと黒い影が横たわっているのが見えた。

ケンジ「おぃ、ハルミ」
と前に座っているハルミを見ると姿がなかった。

店内を見渡した後、トラックを見るとハルミがトラックの荷台に乗り上がっているのが 見えた。

ケンジも急いでトラックに向かって走った。

ケンジ「あっ、先ほどのおじさん!」
とケンジが言うと。

ハルミが「ケンジ、お店で新聞紙をたくさん貰って来て」

ケンジ「うん、わかった」
理由はわからなかったが、ケンジは店に走り、束ねてある新聞紙をひっつかみトラック に戻った。
ハルミはおじさんの右足を少しずつ触りながら聞いていた。

ハルミ「おじさん大丈夫? このへん痛い?」

おじさん「うっ、痛い!」
じっとしていても痛そうだったのが、ハルミが聞いた部分で痛みに声を荒げた。

ケンジ「ハルミ、新聞紙」
とケンジが手渡すとハルミは、それをクルクルと巻き棒状にした物を2本作り、右足の両側に当てあら かじめポケットにあったバンダナをひも状に引きちぎったもので縛った。

ハルミ「おじさん、病院に行くまでじぃっとしててよ!動かしたらダメよ。判った?」
と、強い口調でいった。

ケンジは初めて見るハルミの行動にビックリし夢でもみているかの様だった。
両手を後ろに廻して手のひらをつねってみたら痛い。夢ではい。

ケンジ「おじさん大丈夫?」
一息ついた様子のハルミを見て、横からケンジが覗きこむように言うと

おじさん「あぁ、なんとかね。すまんが頼みがあるんだが・・・」

ケンジ「何だい?」

おじさん「バイクを置いて来たままなんだが・・・」
と心配しそうな口調で言った。

ケンジ「あぁ、良いよ。後で取って来てあげるよ。」

おじさん「それとこれがバイク店の電話番号」
と握りしめていたKEYが付けてあるキーホルダーをケンジに手渡した。

暫くすると救急車のサイレンが峠の下から聞こえてきた。

ピィポ~ ピィポ~ ピィ♪

カッチャ ガッシャ

おじさん「ケンジ君、頼むよ!」

ピィポ~ ピィポ~ ピィ♪

2人はおじさんを乗せた救急車のサイレンと赤い回点灯を見送った後カフェに戻った。


      「峠」

  作 MOTO-TOMO

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