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ラジオ ドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 第5話

2013.08.02.19:00

ラジオドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 

原作 MOTO-TOMO

第5話 「プラグとクラッチ」
タカシ         MOTO☆TOMO
リカコ         えりなちゅらる
お巡りさん       武流
ナレーション      ゆき


タカシ    プラグ・プラグ何処に行った? 何処だ いないぞ。
       あぁ、いたいた。 駄目だよ、プラグ。
       そこは、電気の配線がたくさんあるから噛んだら感電して死んじゃうよ。
       こっちにおいで・・・。

プラグと言うのはエンジンを点火させるプラグでは無く、彼女が付けたウサギの名前である。
ねぇ?どうしてプラグなんて名前にしたんだいと聞くと、

リカコ    「何でか分からないけどプラグてエンジンを動かすのに必要なんでしょう。
        まぁ、元気よさそうな感じがしたからプラグて付けたの」

と言って決めたらしい。   そして、このプラグは小さくてすばやいのだ!

先程からタカシとプラグの追いかけっこが始まっている。
タカシがプラグに餌を揚げようとゲージを開けたのと同時に外に飛び出して来たのである。

ピィポーン♪

リカコ    「おはよう」

とリカコが玄関のドアを開けた。

タカシ    ドア・ダメ。
       早く閉めて早く。プラグが飛び出すから。

リカコ    あっ、ゴメン。
       どうしたのよ、タカシ汗びっしょりになって。

タカシ    うん、まぁ。先程からプラグと運動会。

リカコ    えっ、もしかしてプラグが捕まえられないの・・・。(笑う)

タカシ    笑っている場合じゃないよ。
       早く、リカコ。   プラグを捕まえてよ。

リカコ    あのね、プラグの首根っこを持って・・・。ホオラッ。

と、いとも簡単に捕まえてゲージに戻した。

タカシ    へぇ、うまいもんだな。

とタカシは感心した。

リカコ    タカシ、下手?!
       動物飼った事無いでしょう。

とリカコは、笑いながらタカシに言った。

リカコ    あ、そうそう。
       さっきね、こっちに来るときにスーパーに寄って買い物をして
       バイクに荷物を積んでいたらさ、後ろの方から ・・・・・・。

お巡りさん  「スミマセン、このバイクあなたのですか?」

リカコ    と聞こえたから振り向くとお巡りさんが立っていたのよ。
       もぅ、ビックリしたわょ。
       お巡りさんが言うには・・・・・・。

お巡りさん  「最近、この辺りでバイクの盗難が多いから気をつけてくださいね」

リカコ    て言われたのよ。タカシのバイクも気をつけてね。

タカシ    まぁ、ホイルと駐輪場の柱にチェーンを掛けてタイヤにU字ロック。
       車体にもシートを掛けてあるから大丈夫だと思うよ。
       それに古いおんぼろバイクだから誰も欲しがらないでしょう。

リカコ    クラッチ・・・大丈夫かな?

とリカコがつぶやいた。

タカシ    クラッチがどうかしたの?  調子がおかしいの?

リカコ    クラッチは私のバイクの名前よ。

タカシ    えっ、バイクに名前つけたの、それもクラッチて名前 変じゃないそれ。
       どうして、そんな名前つけたんだい?

リカコ    私にもわかんないのよ。
       何となく言葉が頭に浮かんできたのよ。
       きっと教習所でいつも、アクセル・ブレーキ・クラッチて言いながら
       操作していたからかしら・・・・・・。

と彼女は言った。こんな彼女の心理が俺には理解できない時がある。
彼女は週末にアパートに来て、泊まってあとの日はスペアキーで部屋に入って
ウサギさんの世話をして時には俺の晩飯も作ってくれている時もある。
テーブルの上にはメモが置いてあり

リカコ   「お疲れさま。おかずレンジでチンして食べてね。」

リカコと書かれたメモとラップに包まったおかずがある。

そしてあの事件は、週末の深夜に起こった。

時計の針は、午前2時を少し回った頃だろうか。
ベッドの隣に寝ていたリカコが急に起き上がり、寝ている俺の体を揺すって・・・・。

リカコ   ねぇ、起きてよ。ねぇてば。

タカシ    何だよ、どうしたんだよ。まだ2時過ぎだよ。

リカコ    クラッチが助けてと叫んでいるのよ。
       ねぇ、一緒に見に行こう。

タカシ    えっ、バイクが喋る訳無いでしょう。
       きっと悪い夢でも見たんじゃない。
       気のせい・気のせいそんな事考えないで早く寝なよ。

リカコ    でも、ねぇ、お願い。
お願い何でも言うことを聞くからねぇてば。

タカシ    わかった、わかったよ。   仕方がないな。

と、俺はいやいや階段を降りてアパートの裏にあるバイク置場に向かった。
すると、右前方に赤い光線が放射状に飛び散るのが見えた。

リカコ    ねぇ、タカシ。    あれ、パトカーじゃない。
       もしかして、絶対 クラッチに何かあったのよ。
       早く行こう

とリカコは俺の右腕を引っ張り走り出した。

バイク置場に着くとそこには、黒い大きな2つの物体とその近くにうずくまっている
小さな物体が2つあった。
そして、大きな物体からスポットライトがこちらに向けられた。

お巡りさん  「スミマセンお騒せしまして」

タカシ    何かあったんですか?

お巡りさん  「バイクの窃盗があったんですよ。
        もしかしてこちらのバイクの持ち主さんですか?」

リカコ    はい、私のバイクです。

そして、リカコがバイクに近づいて行くと急に顔色が青くなり膝が折れてその場所に座り込んで
しまい、大きな声で「クラッチ」と言いながら泣き出した。

タカシ    リカコ、大丈夫か?

リカコ    だって、バイクのカギ穴に尖った物が突き刺さっているよ・・・。

ワア~ァァン(泣く)

タカシは、バイクが痛々しく見えた。

お巡りさん  「すみませんがこのバイク。
        証拠物件の為警察で預からせてもらってよろしいでしょうか。 
        すみませんがお名前と連絡先を教えていただけますか。」

事件が一段落したのは午前3時を少し廻った頃だと思う。
リカコは泣き付かれたのかベッドに横たわって寝ている。
俺はなかなか寝つけず、ベッドに座ってタバコに火を点け深く吸い込んでゆっくり吐いた。
少し冷たい風が吹き窓のカーテンが、ふわぁっと揺れて藍色の風景がかすかに隙間から見え
間もなく夜が開けるだろう。

リカコが目覚めると昨夜の事件が嘘のように思えるだろう。
しかし現実に戻ると悲しみで涙が止まらないだろう。
彼女は、二年間レストランのウェイトレスのバイトで貯めたお金でバイクを買って
いつもバイクをピカピカにしていたのに・・・。

リカコが起きたら、俺のバイクの後ろに乗せて海が見える所に連れて行ってやろう・・・。






                              ・・・・ つづく。

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