ラジオドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 第3話

2013.06.07.19:00

ラジオドラマ  「出会い・別れ・そしてバイク」
  原作 MOTO-TOMO

第3話 「ワンピース」
タカシ         MOTO☆TOMO
リカコ         えりなちゅらる       
ナレーション      ゆき

 
梅雨の合間の晴れた日曜日の朝早く、突然、ベツドの枕元に置いてある携帯電話が
「早く、起きろ」と叫びだした。
手さぐりをしながら携帯電話を探し画面を見ると、リカコの名前が表示されていた。

タカシ 「何だ、リカコめ。日曜日の朝早くから電話してきやがって・・・・
     昨夜は残業で帰って来るのが遅かったんだぞ!」


タカシは、うるさく叫ぶ携帯電話のボタンを押した。
そして、先ほどの気持ちと反対の声で電話に出た。


タカシ 「はぁい、何に?」

リカコ 「遅い、遅いぞ!」

タカシ 「どうしたんだい、何かあったのか?」

リカコ 「今日は、隣街のテーマパークに行くの覚えていた?」


あぁ、そうだった。そんな事は、すっかり忘れていたと同時にタカシの記憶が蘇って来た。


タカシ 「あぁ、覚えているよ。確か、駅前に12時の待ち合わせだろう。」

リカコ 「ふぅん、覚えてるんじゃない。早くベットから起きないと遅刻するよ。」


口の中が少し苦み(にがみ)を感じながら、タカシはリカコに動揺が伝わらないように
ゆっくりと答えた。


タカシ 「あぁ、わかった、お昼に駅前だろう。じゃぁな。」


と、言って携帯電話の電源をOFFにして、ベットに放り投げた。


タカシ 「マイッタナ!  まだ、眠りたいのにリカコめ。 
     今、何時だ?  なぁんだ、まだ9時過ぎじゃんか・・・。
       まだ、早いからもう少し寝ようと・・・。」


ルゥルルルゥー♪ と携帯電話が鳴った。


タカシ 「うん、あっ。やべぇ・・・今、何時だ・・・・。」


携帯電話の画面には、11:05とリカコの文字が映しだされていた。
タカシは、一呼吸をしてから電話にでた。


リカコ 「タカシ、起きてる?」

タカシ 「あぁ、起きているよ。
     今、コーヒーを淹(い)れて飲んでいるところだよ。」

リカコ 「ふぅん、ホントかな。
     寝ぼすけマンだからてっきり二度寝したかと思って電話したんだけど。」


とリカコは、こちらの事をお見通しの様だった。


タカシ 「ところで、リカコ。  今、何処にいるの・・・・・・?」

リカコ 「今から家を出るところよ。」

タカシ 「そしたら、俺も着替えようかな。じゃぁ、駅前のロータリで待っているわ。」


と言ってタカシは、携帯電話を切ってソファーに脱ぎ捨ててあったGパンを、
急いで穿(は)いたのであった。


タカシが駅前のロータリに着いたのは、12時10分前だった。
流石に日曜日の昼間である。普段は、人っ子一人もいない駅前ロータリなのに
今日は、タクシーが3台 客待ちをしていて 人も3・4人ほど歩いている。
タカシは、バイクをロータリの中央に在る噴水の近くに停めて 
近くのベンチに腰を下ろした。
そして、今 タカシの目の前には、ロータリの入り口付近にある銀杏(いちょう)の
木の下で立っている薄いピンクのワンピースに肩までのびている髪の少女が映っている。


タカシ 「あのコもデートかな?  いいね、あの頃の恋愛は・・・・・。」


しばらくすると、遠くから渇いた排気音が聞こえてきた。
そして、シフトダウンとアクセルをあおる音が聞こえて近づいてくる。

フォオオオンン♪ フォオオンン♪ フォオオーウン♪

黒いマシンには、エキパイ4本を1本にした集合マフラーとバックステップ・
ツッパリテールが付けてある硬派仕様にしてあり、少年自身も赤いスカジャンと
Gパン そしてハイカットのスニーカーである。
右手に赤い半ヘルを持ってマシンを降り、少女に近づいて行き何か言っている。
しばらくすると少年は、赤い半ヘルのアゴ紐を左の腕に通してマシンにまたがり
エンジンを掛け走り去って行った・・・・・・。


タカシの目には、しゃがんで泣いている少女がいる。
タカシは心の中で・・・・・。


タカシ 「あのコ、可哀想だけど仕方が無いよな。
     あのカッコで彼は、バイクに乗せられなかったんじゃないかな・・・。
     膝(ひざ)が出ているし、足元はハイヒールだもんな・・・・。
     でも俺だったらバイクを駐輪場に停めて歩いてデートするけどね・・。」


と、思っていると急に目の前が暗くなった。


リカコ 「へぇ~、あんな子がタカシのタイプなんだぁ。」


と、リカコは両手でタカシの後ろから目をふさぎながら耳元でささやいた。


タカシ 「違うよ。 今、青春白書を見ていたのさ。」

リカコ 「何よ、それ?」

タカシ 「ハハ・ハハハー(笑う)
     ほら、リカコ。メット
     ううん、お前それ。 まぁ、いいか。
     しっかりと掴(つか)まれよ、行くぞ!」


タカシは、エンジンを掛けてアクセルを廻した。
後ろの座席には、黄色いワンピースのリカコを乗せて・・・・・・。



                          つづく。

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