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ラジオ小説 ☆ライダーデビュー☆ 第六話 ☆初ツーリング!

2012.03.02.21:00

           ☆ライダーデビュー☆
           第六話☆初のツーリング!

幼いころ、両親と偶然出会った女性ライダー。
彼女のようなライダーになりたいと教習所に飛び込み、免許を手にしたカオリ。
バイクショップでバイクを購入したら・・・もちろん、ツーリングに行きたいですね!


-----------

まだ、風が冷たい。
しかし、天気予報は晴天と太鼓判を押したこの日。
カオリは免許を取って初めてのツーリングに出かけた。
丸一日、いろんな場所を駆け巡った。
太陽がオレンジ色になる頃に、海岸線にある道の駅に停車していた。
もちろん、イツキと一緒。
そして・・・もう一台。


-----------

事の初めは、二日前のバイク納車日の事だった。
バイクショップに入り、手続きを待ちながら、青ざめた顔をして、カオリはかばんを握りしめていた。

「明日は変にバイクに乗らずに寝るんだよ?」
「う・・・うん」
「あれ?カオリちゃん、風邪かい?」

ポケットに入れてある眼鏡をかけながら、バイクショップの店長は書類を持って二人の元へやってきた。

「いえ・・・その・・・実はツーリングに行くことになったんです。だから・・・」
「ツーリング?いいねぇ!でも、体調悪いんだったらやめたほうがいいけど?」
「違うんだよ。カオリ、緊張して調子崩してるんだ」
「へ・・・なるほどね」

店長はちょっと笑うと、カウンターの引き出しから小さな紙袋を一つ持ってきた。

「カオリちゃん、これをあげよう」
「あ、ありがとうございます」
「開けてみて?」
「・・・はい」

中に入っていたのは、灯台が二個ついたキーホルダーだった。

「これ・・・灯台?」
「・・・て!ちょっ!店長!」

じっくりと眺めていたカオリからキーホルダーを取り上げると、真っ赤な顔をしてイツキが自分のポケットに隠してしまった。

「え?イツキ?どうしたの?」
「どうしたもこうしたも・・・!わざとだろう!」
「気づいたか!はっはっは」

店長とイツキの間に、何があったのか、カオリはわからない。
ハテナマークをたくさん飛ばしているカオリに、店長はイツキからキーホルダーを取り上げ再度カオリの手のひらに置いた。

「これはね、イツキが初めて乗ったバイクのキーについていたキーホルダーだよ」
「え?」
「俺がバイクの免許を取って、初めて買ったバイクもここだったんだよ。ただ、調子に乗って走って・・・こけたんだけどな」
「こけた?」
「もうね、ひどい状態だったよ。こけただけでなく、バイクは壁に激突。もう廃車にするしかなかったんだよ」
キ「でも、なんでここにそのバイクのキーホルダーがあるんだよ!」
「覚えてないか?初めてバイクに乗る時にワシになんて言ったか?」

店長の言葉にイツキはますます顔を真っ赤にして怒りだした。
なぜならば、自分の彼女がバイクに乗ったら自分のキーホルダーの灯台を一つ、彼女にあげるのだと言いきっていたからだ。
結局、バイクが廃車になってしまった事で、キーホルダーごと捨てることになっていたのだが、コッソリ残されていたのだ。

事情がわかり、二人のやり取りにすっかり緊張の糸がほどけたカオリはくすくすと笑っていた。

「で、明後日、ワシもついていこうかな?」
「え?店は?」
「大丈夫だよ。カオリちゃん、いい?」
「あ!もちろん!一人でも多い方が心強いです!」

-----------

海に向かって大きく伸びをしていたカオリに、イツキが「帰るよ」と合図をした。
うんうんとうなずいて、出発準備をしていた時、ツーリングに一緒に来ていた店長が話しかけてきた。

「カオリちゃん、帰りにちょっと店に寄らないか?」
「はい!」
「イツキも構わないだろ?」

うなづくイツキを確認して、店長はバイクのエンジンを始動させる。
カオリも慌ててヘルメットをかぶり、エンジンを始動。
海岸線をイツキ、カオリ、店長の順番でバイクショップに向かって走り出した。

-----------

臨時定休日の貼り紙がされているシャッターを店長が開く。
二人にもバイクを店内に入れるように促した後、再度シャッターを閉じた。

「さて、ちょっとコーヒーでも飲んで行け」

と、店の奥の扉を開く。
扉の奥は店長の自宅になる。

「え?でも!」
「今日はカオリちゃんが頑張ったんだからチョットゆっくりしてけ!」
「はーい」

カオリには確認せず、二人はさっさと部屋に入っていく。
慌てて二人の後に続き、小さな声で「おじゃまします」と言いながらカオリは二階へあがった。

フローリングのリビングのテーブルセットにどっかり座っているイツキの横にカオリはそっと座る。
店長はキッチンで誰かと一緒のようだ。
コーヒーのいい香りが漂って、店長がトレイにコーヒーを入れてきた。
その後ろで、店長と同世代くらいの女性が長い髪を一つにくくり、ケーキのお皿を持っていた。
ニッコリとほほ笑みながら女性はケーキのお皿をカオリの前に置いた。

「あ、ありがとうございます」

テーブルの上にコーヒーとケーキが並び、4人が座る。

「今日はお疲れさまだったね。カオリちゃん」
「あ、ありがとうございます。とっても楽しかったです」
「あ、紹介しておくよ、彼女はワシの嫁のハルカだ」
「え!そうなんですか?」

女性、ハルカはニッコリとほほ笑む。

「無言ですまんな。実は昔バイクの事故で声帯を潰してしまって喋る事が出来ないんだよ」
「え?」
「すげーんだぜ?元レーサーなんだぜ!」
「そうなんですか?」

頷いたハルカは、店長に手話で何かを話しかけると、エプロンのポケットから一枚の写真を取り出し、カオリの横で手渡した。
不思議そうにその写真を見たカオリだったが、ガタリとイスから立ち上がった。

「うそ・・・」

彼女は今までの中で一番優しく微笑むと、カオリをそっと抱きしめた。

「約束・・・覚えててくれたんですか?」

「初めてカオリちゃんがお店に来た時に、ハルカは上から見ていたんだそうだ。すぐに気がついたらしいよ」
「え?どういうこと?」
「・・・あのね、憧れの女性ライダーがいてるって話したの覚えてる?」
「あぁ、でも名前は覚えてないって・・・」
「それが、ハルカさんだったの!見て!」

当時の携帯電話で撮影したものだから画質は粗かったが、そこにはツナギを着てる女性ライダーと、バイクに麦わら帽子をかぶっている小さな女の子の写真。
イツキが、小さく「あ」と声を出した。

その写真は、イツキがカオリの部屋でみた写真とほとんど同じ状態。
小さなカオリが海岸線で出会ったあの女性ライダー。
カオリが言い続けた言葉。

真っ白なツナギにコバルトブルーのラインが印象的だった。
  彼女はしばらく私と会話をした後、軽やかにバイクに跨り、海岸線を走りぬけた。
  笑顔がとてもキュートで、バイクを初めて見た私をシートに乗せてくれた。
  免許をとったら、私もあんな風に走りたい・・・
  あの時、私の夢が産まれた」

その、あこがれた女性ライダーは・・・目の前にいるハルカ。
カオリの本当のライダーデビューは、今この瞬間かもしれない。

END


ラジオドラマ ライダーデビュー
原作・脚本 桜塚れい
キャスト カオリ;桜塚れい
     教官・店長;MOTO-TOMO
     イツキ・教習所の職員;西野武流
     ナレーション;奈良純



次回からは・・・・。
ケンジとハルミが半年ぶりに帰って来ます!!
今回は、どんな話の展開が・・・・・。
皆さんお楽しみに♪

MOTO-TOMO(作)


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皆さんのバイクでの体験談(ツーリング・峠・免許取得など)を
元に小説を書きたいと思っています。
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E-MAIL. 784@nara.fm
ならどっとFM 「モト友のバイク☆ライフ」
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