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☆ライダーデビュー☆第五話☆いざ!卒業検定

2012.02.03.20:00

幼いころ、両親と偶然出会った女性ライダー。
彼女のようなライダーになりたいと教習所に飛び込んだカオリ。
急制動の教習で派手なスライディングでこけてしまい、逃げ腰でしたがなんとか「卒業検定」をうけれそうです。


-----------

雨が悪い。風が悪い。
そんな風に文句を言っても、こけた影響はカオリの中で根強く、痛みよりも何よりも恐怖心が「はいそうですか」と消えるわけではない。

急制動の停止線。
なんとか連続でキッチリ止まれるようになってきたカオリに、教官は満面の笑みを向けた。

「順調だね~。このままいけば次は卒業検定受けれそうだね」
「はい」

元気に返事をしたものの、カオリの心臓は緊張しきっていた。
コース上で緊張しないとは言わない。適度な緊張はある。
だが、あの雨の日に派手にスライディングでこけた急制動に差し掛かると、異常なくらいに汗が出て、緊張する。
しかし、インターネットで調べたアドバイスや今までの練習でなんとかクリアできるようにはなってきていた。



教習が終わり、教官から見極め合格のハンコをもらい、カオリはとうとう「卒業検定」を受けることになった。

「見極め合格の後すぐに卒業検定を受けるのが良い」
それは、インターネットに書かれていたアドバイスの一つだった。
なんでも、緊張する度合が違うのだとか。

その日、普通二輪の卒業検定を受けるのは五人だった。
卒業検定の説明を受け、コースが発表される。
何度もシュミレーションをし続け、時間が来た。

誰も走っていない教習コース。
スタートラインに停車してあるバイクは二台。
一台は普通二輪用、もう一台は大型二輪用。
卒業検定は大型二輪も同時実施なのだ。

大きく深呼吸をして、コースを見つめているところにアナウンスが流れる。
カオリの卒業検定の開始だ。

ものすごく緊張しているためか、右足と右手がいい所に出てロボットのように歩く。
バイクの元に行き、安全確認をしてまたがり、スタンドをはずしエンジンスタート。

ところがカオリは今までに一度も見せた事がないくらいスムーズにバイクをスタートさせた。
外周を回ってから、コース内へ突入する。
ヘルメットの中で、ぶつぶつとカオリは進むべきコース、気をつけなければならないポイントをつぶやく。
走っている間に減点され、合格点を下回ればその段階で検定中止。
また、一発中止項目を行ってしまっても、検定中止。
しかし、バイクはそのままゴール地点となるスタートラインまでカオリを連れて帰ってきた。
ドキドキしながらバイクから離れるカオリ。

「はい。そしたら検定室まであがってきてー」

アナウンスが流れる。
卒業検定では、教官が検定室と呼ばれる部屋で全コースを見ている。
ちょっとしたミスも全てがここでわかってしまう。

「失礼します」
「あぁ、ちょっと待ってくれるかな」

カオリが検定室に到着するまでに二番目の人の検定は始まっているため、ゴールに到着するまでは待ち時間になるのだ。
二番目の人がゴールに到着し、教官は机の上にあるボードを持ってカオリの前に来た。
ものすごい形相で待っていたのだろうか、教官はカオリの顔を見るとクスリと笑った。

「そんな怖い顔をしなくても。心配しなくても合格だから」
「え?」
「多分、今までの中で一番いい走りをしていたよ。スラロームとかも心配するところは無かったしね」
「本当ですか?」
「急制動は自分でもわかったでしょ?停止線に余裕を持って止まれた」
「あ…」
「こけた事が怖くて大変だったと思うけど、よく頑張りましたね。おめでとう」
「ありがとうございます!」

満面の笑みで頭を下げたカオリは、検定室から出てすぐに携帯電話を手にする。
もちろん、電話をかける先は彼氏のイツキ。

「もしもし?イツキ?」
「おー。どうした?」
「あのさ、今日時間ある?ご飯食べに行こうよ!」
「いいよ。なんかご機嫌だね?何かあったの?」
「へへ。ご飯食べるときに教えるよ!」

あれ?
「免許を見せてバイクを買いに行く!とイツキを驚かそうという作戦」のはずが、
あまりにも嬉しすぎて
「バイクの免許取れた!とイツキを驚かそうという作戦」になってしまったようだ。



手続きを終えて、急いで家に帰ったカオリは、パソコンモニタの横にある写真立てを見る。

幼いカオリと女性ライダーとの記念写真。

「卒業できました!はやくバイクが欲しいです!」

と、女性ライダーに伝えた。
もちろん、写真が返事をしてくれるわけではない。
けれど、カオリはもう嬉しくって仕方がないようだった。
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