ラジオドラマ  ☆ライダーデビュー☆第二話☆怖い!痛い!

2011.11.04.21:00

・・・・・・・[ラジオドラマ]・・・・・・・・・

11月4日(金)

 放送日 毎月第1金曜日     19:00~19:30
(再放送)毎月第2土曜日     11:00~11:30 



(作) 桜塚れい  

◆ メインキャスト ◆

カオリ      桜塚 れい   
イツキ     西野 武流
教習所指導員   MOTO-TOMO
ナレーション    奈良 純


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☆ライダーデビュー☆第二話☆怖い!痛い!

幼いころ、両親と偶然出会った。
真っ白なバイクにコバルトブルーのラインが入った真っ白なツナギ。
海岸線を駆け抜けた風のような彼女。
カオリは、彼女のようなライダーになりたいと教習所に飛び込んだ。

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「怖く・・・ないんだよね・・・?」
「へ?」

今日はカオリとイツキはツーリングデートだった。
自宅アパートに送ってもらったカオリはイツキに聞いてみる。
もちろん、免許を持っていないカオリはイツキの後ろに乗せてもらっていた。

「あたりまえ。怖かったら乗ってないよ。急にどうしたんだよ?」
「なんでもない」

怪訝な顔をしてカオリの顔を覗き込むイツキをはぐらかすように背を向ける。
イツキには教習所に通っている事は話していない。免許を見せて「バイク買いに
行くの付き合ってよ」と驚かせたいからだ。

「変なこと聞くよなぁ」
「そう?ちょっと聞いてみたかっただけだよ?」
「あそ。じゃ、俺は帰るわ。おやすみ」
「うん、おやすみ。帰ったら電話してね?」
「わかった」

気持ちの良いエンジン音が小さくなるまでイツキが帰った方向を見ていたカオリ
はヘルメットを抱きしめたまま階段を上り自宅へ入る。
大きくのびをして、明日の準備を始めた。
長袖のTシャツにズボンを準備。明日の教習は技能教習だ。
前回までの教習で教わった事はノートに書き留めてあるので、それを何度も読み
返す。

車から見えるバイクの位置。
今日のツーリングでイツキのバイクの位置を思い出しながら教習用ノートを見て
自分の中で再確認をする。
明日はどれだけ走るんだろう・・・?
ワクワクしながらカオリはベッドに入った。

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「はーいストップ。向こうの直線はもうちょっとスピード出そうか。サードまで
上げよう」
「はい」
「それと、リアブレーキ使えてないよ?フロントだけだと危ないから」
「はい」

教官から説明を聞いてから再度バイクを発進させようとするカオリ。
クラッチを繋がる瞬間が怖いカオリは時間をかけてゆっくりと・・・とはいか
ず、エンジンの回転数が高いためか急発進気味で発進した。
「これは何度も経験しないと慣れないから・・・」と教官に言ってもらってはい
るものの、なかなかうまくいない。
問題は発進だけではない。
まだ乗り始めなのでコースは外周だけではあるものの、直線では「指定速度
40km/h」までスピードを出さなければならないのだが・・・

「ほら、サードに入れて!もっとスピード出していいよ!」

と、直線で並走してくれる教官に言われるものの、うまくスピードが出ない。
カオリの中では指定の40km/hくらい出しているつもりなのだが、実は30km/hほど
しか出ていない。

何周か回って停車したカオリの頭を笑顔で教官がポンポンと撫でた。

「まだ怖いって感覚が強そうだね?」
「はい。スタートの時もエンストするんじゃないかって怖いし、スピードを出す
のも減速できるのかって心配で怖いです」
「スピードはちゃんと出すところだして、減速するところは減速しないと本当に
危ないからね?」
「はい」
「あぁ、それからスタートはゆっくりでいいよ。回転数が高いかなぁー急発進気
味だよね」
「ですよね・・・」

苦笑いをしながら、カオリはだるくなってしまった左手首をブラブラと振り、も
う一度ハンドルに手をかける。

「手首。もっと力を抜いたらいいよ。力が入りすぎてるから痛くなる」
「はい」
「よし、リラックスしたら発進しようか」
「はい」

今日の教習はたっぷり二時間。
着替えを済ませて、すっかり痛くなってしまった左手首をカオリはブラブラさせ
ていた。

「そんなに力入れていたのか?」

背後から教官が話しかけてきた。
一番最初に教えてもらったこの教官は、とても笑顔が素敵な人で、一番カオリの
事を見ていてくれる教官でもある。

「どうも左手がカチカチになってしまいます」
「手首のサポーターを持っていたら付けておくといいよ。少しはマシになるから」
「はい」
「次回からは外周コースだけじゃないから、しっかり治しておくんだよ?」
「はーい」


----------

家に帰ってカオリはパソコンモニタの横に飾ってある写真立てを手に取る。
幼いころ、バイクにあこがれた一番最初のきっかけをくれた「女性ライダー」と
の記念写真。
ベッドに横になりながら彼女を見つめた。

「貴女も、最初は怖かったり、手首が痛くなったりしたんですか?」

心の中で写真の中の彼女に問いかけてみる。
カオリの教習はまだまだ始まったばかり。


聞く(ラジオドラマのみ)
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