ラジオドラマ 12話「出会い・別れ・そしてバイク」

2014.03.07.19:00

「出会い・別れ・そしてバイク」

原作 MOTO-TOMO

第12話 「スモール☆マシン」

タカシ         MOTO☆TOMO
リカコ         えりなちゅらる
真司(しんじ)     ゆき
雅史(まさし)     MOTO☆TOMO
義男(よしお)     えりなちゅらる
バイク屋さん      西野武流
ナレーション      ゆき・えりなちゅらる


リカコ      ♪あかりを つけましょ ぼんぼりに
           お花を あげましょ 桃の花
           五人ばやしの 笛太鼓
           今日はたのしい ひな祭り・・・・・・。♪

タカシ      朝からリカコ 鼻歌なんか歌って、何か良いことが有ったのかい?

リカコ      何言っているのよ 今日は3月3日 ひな祭りよ。

タカシ      あっ。そうか、もう三月だよな。
         早いね、ついこないだまでお正月だったのに・・・・。

リカコ      そんなこと言っていたら若い子に年寄りて呼ばれるわよ・・・。

タカシ      冗談だよ 冗談・・。
         そうか、3月3日か・・・。

この日は 俺には忘れられない日でもある。
バイトして貯めたお金で初めてバイクを買った記念すべき日なのだ。
そして 思い出したくない日かもしれない。

麗子が赤いスクーターを買ったバイク屋さんに、ひょんな事からよく出入りするようになり
いろんなバイクについて教えてもらった。
それと、そこに行くと新刊のバイク雑誌が置いてあるので 本屋で立ち読みしなくてもいいわけである。

ある日、いつもの様に学校が終わってバイク屋に行くと店の前に新車が止めてあった。
よくバイク雑誌の表紙を飾っていた水冷式の250ccのマシンだった。
それとその横に赤いカラーのマシンが置いて有った。

バイク屋さん    やぁ、タカシくん。
          今、タカシ君に連絡しようと思っていたところだったんだけど
          新車の下取りなんだけど この赤いバイクどうかな?
          えっ、俺 原付免許しか持っていないんですけど、
          このバイク50ccですか?
          少し大きく無いですか?

バイク屋さん    これ50ccなんだよ。    原付免許で乗れるよ。

しかし、俺としては表のショーウィンドに飾ってあるバイクが欲しいわけで・・・。

バイク屋さん    このバイク 外見は少しくたびれているけど整備したら
          良いバイクになるよ。   安くしておくよ。

タカシ       えっ、どれくらい?

バイク屋さん    自賠責保険を付けて8万円でいいよ。

実際、いたいところだった、表のショーウィンドのマシンには まだまだ資金が足りなかったがこのマシンなら買える値段である。

バイク屋さん    どうかな?

タカシ       うん、じゃ これ買います。

バイク屋さん    OK!今度 来る前に整備しておくね。
          後、ナンバー取るから印鑑もって来てよ。
          それと 両親の許可もお願いするよ。

タカシ       はい、了解。

そのマシンは 赤いボディカラーでエンジンは黒に塗装してあり 大きさは普通の原付バイクより一回り大きく1クラス上のマシンに見え タンクの横にはステルス5と書かれてある。
後でわかった事だが 馬力は8馬力も有った。

バイク屋さん   タカシ君 このバイク2サイクルエンジンなんだ 
         この2サイクルオイルを入れないとエンジンのピストンが焼けて動かなくなるから気をつけてよ。


俺は、アルバイトで稼いで貯めたお金でバイクを買い 少し残った残金でメットとグローブを買いにバイク用品店に行くとあの三人組が店の前でたむろっていた。
いつのまにかどこから嗅ぎつけたのか知らないが・・・・・。

真司(しんじ)   よぉタカシ、バイク買ったそうだな。

タカシ       でも、中古だよ。外見ボロボロ
          ところで、そこに停めてあるバイクて・・・・・。

真司        ああ、これ俺たちのマシンさ。
          俺のマシンはナブスター50 新車さ・・・。
          その横に停めてあるのが雅史(まさし)のジグザグ50
          雅史のは兄貴から貰ったバイクだけどね・・・。

雅史        そりゃ、真司 のバイクは新車だもんな。
          流石、街一番の金持ちだもんな 新型4サイクルだもんな。

真司        いいじゃんか、オヤジが新車しかだめだて言うからさ 仕方ないだろう。


雅史        俺のは兄貴のお古なんだけど、兄貴バイクいじるのが好きだからいろんな所いじくりまわしている          んだ・・・。
          マフラーはチャンバーに変えて、ハンドルはセパハンにしてキャブレター
          のニードルの番数を変えて一通りカスタムしてあるんだ・・イイだろう。
          しかし、これが乗りにくいんだ回転を上げないとすぐエンストするんたぜ。

真司        義男のは 俺たちとは論外(ろんがい)だから まぁいいとして・・・。

義男        ちょっと待ってよ、オイラのも新型だよ。
          それにタイヤが3つも付いているし コーナーでバンクさせても倒れないんだぞ。
          いつもコーナーリングはハングオンなんだから。

タカシ       えっと、ヘルメットはどこかな・・・。

義男        タカシちょっと待ってよもう少し話しを聞いてくれよ。

タカシ       また今度ね。
          それにしてもメットて色んな種類が有るんだな。

真司        これは、ジェットヘルメットその隣がフルフェースさ。

タカシ       へえ、よくテレビの刑事ドラマで犯人がかぶっているよな。
          あれは、つばが付いていて あごの辺りが しゃくれている・・・。

真司       あ、あれはモトクロス用のメットだよ。
         ちなみに俺と雅史は、フルフェースなんだ。
         雅史の兄貴が事故した時、一番安全と言っていたし 
         バイクレースのライダー 皆これ被っているしな。

義男       オイラのは半ヘルさ。
         ほら店の配達に行くのに フルフェースだと誰だかわからないから顔が見えるメットにしろって言っ         たから これにしたんだ。 見てよ、このステッカーかっこいいだろう。

タカシ      あ、いいね。
         そうか、俺もフルフェースにしようかな 事故ってこの男前が台無しになるからな。

雅史       誰が!(皆・笑)

真司       そしたら次はどんなカラーにする。
         メットカラー 黒・赤・白・青・黄・シルバーがあるよ。
   
タカシ      雅史はどの色のメットを被っているの。

雅史       俺は黒  真司は白  義男はシルバー

タカシ      じゃぁ他の色にしようかな。

義男       タカシ、バイクは何色? 同じ色にしたら。

タカシ      レッド だから赤か。 赤一色も恥ずかしいしな・・・。
雅史       コレどうよ、展示品で半額のコレ。
 
白・赤・黒と3色のカラーのメットが有った。

タカシ      なんぼ円よ?
  
雅史       定価三万円の半額・・・。一万五千円なり。

タカシ      少し予算オーバーだし原付だよ。
         それってもっと大きいバイク乗るんだったらいいけど。
         後、グローブも買わないといけないしな。

義男       グローブならここにあるよ、プロテクターが付いてるし何か強そうに見えない

雅史       コレ、いいじゃんか。  えっ!1万円。   高えっ。

タカシ      2・3千円で無いかな?

義男       ここのワゴンに乗っているこのグローブなら¥1980円だよ。

タカシ      クロアカ有る?

義男       無いよ、黒だけ。

タカシ      まぁ、それでいいか。

雅史       さつきの半額ヘルメットにしなよ。

タカシ      そうだな、少し予算オーバーだけどカッコイイもんな。

真司       メットとグローブも買った事だし そろそろバイク出来上がっているんじゃないか・・・?               見に行こうぜ。

タカシ      ああ、いいけど。

          ・・・・4人揃ってバイク屋に行く・・・・


タカシ      こんにちは・・・。

バイク屋さん   おお、タカシ君。  バイクの整備 もう少し時間がかかるよ。
         明日の昼までには出来上がると思うけど急ぐかい?

タカシ      いいえ、いいです。

良かったとタカシは 心の中でつぶやいた。
出来上がっていたらこの三人組は、乗せろと言ってくるのは間違いないと タカシは思うのであった。

真司       チェ、まだかよ、楽しみにして来たのにな・・・。

そしてタカシは胸を張って・・。

タカシ      まぁ、明日にはお披露目してあげるからお待ちなさい あわてないあわてない。

義男       ほんとかな 何んかタカシ急に元気になったぞー。

と、ボソッとつぶやいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく

・・・・・・・・・・・・・・・(マシン紹介)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆ タカシ    2サイクル単気筒  8馬力       ステルス5

☆ 真司     4サイクル単気筒 7馬力       ナブスター50

☆ 雅史      2サイクル単気筒  8馬(改)   ジグザグ50

☆  義男     4サイクル単気筒  6馬力     3輪車 モビール50







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ラジオドラマ 11話「出会い・別れ・そしてバイク」

2014.02.07.19:00

「出会い・別れ・そしてバイク」
原作 MOTO-TOMO

    第11話 「白球」
タカシ         MOTO☆TOMO
麗子          ゆき
母親          えりなちゅらる
真司(しんじ)     ゆき
雅史(まさし)     MOTO☆TOMO
義男(よしお)     えりなちゅらる
試験官         西野武流
ナレーション      ゆき・えりなちゅらる


高校二年生 春。
県大会も終わり 、夏の甲子園に向かって毎日練習をしていた。
来る日も来る日も白い球に向かって、走る 捕る 打つ 練習は辛かったけど楽しい時期だった。が、 ある日 突然 目の前から白い球が遠くに飛んでいってしまった。

部活練習が終わり自転車で帰宅中、交通事故に遭い気付いたら病院のベッドで寝ていた。
そして、左足と右腕に白いギブスがプロテクターの様に装着してあった。
ベッドの横には、おふくろが心配そうな顔をして覗き込んでいる。

母親    大丈夫?タカシ。 痛くない?

タカシ   ああ、うん。     俺、どうしてここにいるの?

母親    部活後に自転車で帰宅中、住宅街の交差点で左側から走って来た自動車に当てられて怪我したのよ。
      先生がね、全治2・3ヶ月は掛かるておしゃっていたわよ。

タカシ   えっ、じゃあ 当分 野球出来ないの・・・・!!

母親    そうね・・・。

タカシ   夏の大会は無理じゃん。

その時は何も思わなかったが時間が経っていくのと同時に、俺から白い球が離れて行くのが感じられた。
そして夏休みにはほとんど部活には顔を出さなかった。

そんな時に麗子が家に遊びに来た。

麗子    どうしたのよ、タカシ。
      最近、部活に来ないてキャプテンの井上さん言っていたわよ。

タカシ    ああ、うん。    何もしたくないんだ。
       何か、体から力が抜けてしまってさ・・・。

麗子     じゃあ、気分転換にバイクの免許取らない?

タカシ    バイク?  大きいの・・・・・。

麗子     ううん、原チャよ。    ねえ、取らない?
       麗子、前から原付免許を取ろうと思っていたんだけど
       1人で行くの心細いからタカシも一緒に免許を取ろうよ。
        ねえ、行こうよ。  良いでしょう。

タカシ    まぁ、いいけどさ…。   いつ行くの。

麗子     明後日、月曜日かな。 どう、いい?

タカシ    試験て難しいのか?

麗子     そうね、30分間で50問。
       合格ラインは90点以上。二者択一 〇×。

タカシ    じゃあ、一問二点か。
       五個まで間違ってもOKだな。    どんな問題が出るんだい?

麗子     えっと、こんな問題・・・・・。
       1,原付免許で小型特殊自動車の運転をすることができる。
       (答えは×  原付免許では原動機付自転車しか運転できません。)

       2、原動機付自転車に積むことのできる荷物の高さは、荷台から2メートルまでである。
        (答えは×  荷台からではなく、地上からです。)

       3、,原動機付自転車は、強制保険の他に任意保険にも加入していなければ運転してはならない。
         (答えは×です。任意保険に加入してなくても運転できます。)


月曜日の朝、麗子と駅で待ち合わせをして免許センター方面の電車に乗った。
免許センターに着くと夏休みなのか同じ歳の奴らがたくさん来ていた。


真司(しんじ)  タカシ。

と、どこからから名前を呼ぶ声が聞こえた。
周りを見ると幼なじみの友達三人組がニヤニヤしながらこっちを見ている。

雅史(まさし)  タカシ。彼女と一緒か、いいね。 熱いね。 やっぱ、夏だね。

と茶化された。

麗子    タカシ、早く受付に行かないと遅れるわよ。

タカシ   ああ、じゃあ、またな。

あっちこっちと動き回り放送が入いり・・・・・

試験官   原付免許 学科試験を受講される方は二階の第三教室に上がって下さい。

教室に入ると百人ぐらいはいるかのように感じたが実際は、原付免許の受講生は
三十人ほどだった
試験の説明中、俺は違う事を考えていた・・・・・。
試験が始まり皆が一斉に鉛筆を動かしている。
俺は、ほとんど当てずっぽでマークシートを塗りつぶした。

試験官   はい、終了です。
      放送が入るまで一階の待合室でお待ちください。

麗子    ねぇ、タカシ どうだった?

タカシ   うんまぁ、一応 全部塗りつぶしたけど どうかな?
      麗子はどうよ、出来たかい。

麗子    わかんない、一応 塗りつぶしといたけどね。

試験官   間もなく電光掲示板に合格した方の番号を掲示しますのでお集まり下さい。

麗子    タカシ行こう。      えっと、私は121番。
      あ、あった!!  タカシは私の次 122番あった。 二人とも合格よ。

試験官   原付免許を合格された方は3番窓口に来て下さい。

タカシ   122番ですが・・・。

試験官   お昼から原付コースで実技が有りますので1時に原付コースに行って下さい。
      遅れたら今日は、免許証は発行しませんよ。
      宜しいですか。

タカシ    はい。

真司(しんじ)おい、タカシ。

タカシ    どうだった三人共合格した?

真司     当たり前じゃん。 あんなのチョチョイノチョイだよ。

雅史     よく言うよ 真司 お前二回目じゃん。

と雅史がツッコミを入れ横で義男(よしお)がうなづいている。
この幼なじみの三人には 後々いろんな事に巻き込まれる。

義男が小声で

義男     腹減った。

タカシ    じゃあ、試験場の前に在ったコンビニまで行くか

幼なじみ3人組みと麗子と俺。   合格したお祝いに缶コーヒーで乾杯した。

実技が始まり白とオレンジのジャージを着た、強面(こわおもて)のおっちゃん5人に囲まれてスクーターの基本的な事を聞いて実際にスクーターに乗って走る。
走る 止まる 曲がる等を練習した。
その間に免許証が作られていて講習が終わった時に名前を呼ばれて貰った。

免許センターから最寄り駅までは五人でバイクの話で盛り上がってしまった。

真司     なぁ、タカシ。 バイク どんなの買う。

タカシ    俺、まだ決めていないんだ・・・。

そして、麗子が・・・・

麗子      ねぇ、タカシ。帰りバイク屋さんに寄らない

と話し掛けてきた。

家の近くの駅で降りると、麗子が俺を無理矢理駅前通りのバイク屋さんに連れていく。
ショーウィンドウの中には、最近よくテレビのコーマシャルで見る
かわいい赤いスクーターが飾ってあった。

麗子      これ、いいでしょう。    私、これ欲しいのよ。
        パパに買ってもらうの。    タカシもバイク買うでしょう。

タカシ     どうかな?  最近まで交通事故に遭ってギブスを巻いていたんだよ。
        70%は無理ポイ。    後は、バイトしてお金を貯めるしかないよ。

麗子      タカシとこの お母さんのバイク有るじゃないあれかしてもらったら。

タカシ     嫌だよ、あんなの恥ずかしいよ。
        薄紫色のスクーターで前カゴ付きだよ。
        いかにも買い物スクーターじゃんかよ。

麗子      それもそうね。
        じゃあ、しっかりバイトしてお金を貯めなさいよ。
        ところで、ケンジ どんなバイクが欲しいの。

ケンジ     えっ、まだ わかんないよ。

麗子      じゃぁ、中に入って見てみる? ここのお店の人、うちのパパの友達だから色々と教えてくれるわよ

そして、俺は麗子に手を引っ張られて中に入って行った。
店の中から 何か白い球が俺の方に飛んでくる気がした。


                              つづく












ラジオ・ドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 第10話

2014.01.03.19:15

「出会い・別れ・そしてバイク」
原作 MOTO-TOMO

第10話 「フラッシュバック」

タカシ         MOTO☆TOMO
リカコ         えりなちゅらる
タクト         ゆき
ヤンキーの兄ちゃん   ゆき
ガソリンスタンド社長  西野武流
ガソリンスタンド店員  えりなちゅらる
ナレーション      ゆき


タカシ    あぁ、寒い もうダメだ 冷凍人間になりそうだよ。
       リカコ、お前元気だな 寒くないのかよ。

リカコ    大丈夫よ、これくらい。

タカシ    スゴイな。うぅん、リカコそれって・・・・ 。
       あっ、それってグリップヒーター。 いつの間に付けたんだよ ズルイよ!

リカコ    着けたらダメって事無いでしよう。
       着けるのは個人の自由なんだからねぇ。

タカシ    でも、こんなに寒いのにバイクで初詣に行くライダーは、俺達だけだと思って来たんだが
       沢山のバイク乗りが初詣に来ているね。
       大型バイクの団体さんやサイドカー軍団もいるし、年齢も若い人から高年齢の方も来ているよ。
       皆、元気でクレイジーだね。

リカコ    そうよ、さっきから寒い・寒いと言っているのはタカシだけだよ。

タカシ    でも、寒いのは寒いですからねぇ。

2人は駐輪場にマシンを停めて神殿に向かって歩きだした。
タカシは、露店商の呼び声が聞こえるほうに寄って行き

タカシ    あっ、たこ焼き  食べたら体が暖まるだろうな・・・・。リカコ

リカコ    そうね、でも駄目。    先にお詣いりしてからよ!

タカシ    あぁ、ベビーカステラ・リンゴ飴・フランクフルト。美味しそうだよ~ぅ。

リカコはタカシの腕をつかんで小走りに走りだした。

タカシ    ちょっともう少しゆっくりと歩こうよ。

リカコ    ダメ、ゆっくり歩いているといつまで経っても神殿に着けないよ。
       早く歩きなさい、早く!

タカシ    俺、初めてここの神社にお詣いりに来たけど・・・。
       へぇ、ずいぶんと大きい神殿だね。
       えっと、一礼二拍二礼だったかな、お賽銭は10円でいいかな・・・。
       なぁ、リカコ。

リカコ    シィッ、黙ってお祈りしているんだから・・・・。
タカシ    なぁ、リカコ。   さっき何をお願いしていたんだい?

リカコ    お願いじゃなくて、昨年は事故もなく楽しい一年でした。
       今年もよろしくお願いします。
       あれ?   これってお願いか。ハァハハハハハア。
       ところでタカシは何をお願いしたのよ。

タカシ    リカコと同じだよ。

リカコ    本当に?

タカシ    ホント・ホント。  あっ、美味しそうな匂いがする。

リカコ    待ちなさいよ、タカシてばぁ。

タカシ    ちょっとガソリンスタンドに寄るよ。

リカコ    じゃあ私もガソリン入れとくか。

スタンド店員     いらっしゃいませ!  こちらにどうぞ。

リカコ    最近、この辺セルフスタンドが多くなって来たね。
       リカコ、高校生の時 ガソリンスタンドでアルバイトしたことがあるの・・・・。

タカシ    うそ、俺も高2の夏休み・冬休みとスタンドでバイトしてたんだよ。
       夏は暑いし冬は寒かったけど1つ上の先輩がいてさ楽しかったよ。

・・・・・・・・・・・・10年前の冬・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガソリンスタンドの社長     タカシ、この車拭いといてくれ。

タカシ    はぃ、ひぇ~。  冷たい、指先が凍りそうだよ。

タクト    タカシ、これ使いな。

と、1学年上のバイト先の先輩が温かい湯が入ったバケツを持って来てくれた。

タクト    ここのオヤジ人使いが荒いから頑張れよ。

タカシ    有り難うございます。  ふぅ、助かった、温かいや。

社長     タクト、何油売っているんだ。   お客様の車が入って来たぞ。
タクト    はい、今すぐ行きます。   クソオヤジめ。
       どこで油を売っても 油屋なんだからいいじゃんか。

このアルバイト先の先輩は、俺より1つ歳上で工業高校の3年生。
今年の春に卒業して、車の整備会社に就職が決まっているらしい。

タカシ    ふっ、疲れた。

タクト    ヨオー、タカシ仕事に慣れたか?

タカシ    いやぁ、思っていたより冬場のスタンドはキツイですね。

タクト    ホレ、どう。 1本吸うか?

と、キャラメルが入っていそうな箱から白い棒状の物を取って俺に勧めた。

タカシ    いゃ、俺 止めときます。

タクト    付き合い悪いな、まぁ、いいや。
       それよりタカシ、アルバイトして何か欲しい物でも有るのかよ。

タカシ    はい、バイクが欲しいんですよ。
       駅前通りのバイク屋のショーウィンドウに かっこいいバイクが置いてあるんです。

タクト    バイクか、ヤメときな やっぱ ワッパの車だぜ!
       俺もう少しで18になるからよ、車の免許取って夏には車買って彼女とドライブさ。

タカシ    えっ、先輩 彼女いるんですか?!

タクト    まぁな。

先輩は、胸のポケットから一枚の写真を取出して俺に見せた。
そこに写っている女の子は、サーファーカットの少しヤンチャそうな女の子人でした。

タクト    隣街の女子校の2年生さ。

タカシ    センパイの彼女、可愛いイスネ。

と心にも無い事を言ってしまった。

タクト    まぁな、車買ったらタカシ乗っけてやるからよ楽しみにしてなぁ。

社長     オイ、コラ!! おまえ達何さぼっているんだ。
社長     ピットに入っている 車のオイル交換しとけよ。

タクト    はぁい、くそオヤジめ。

そんなこんなのアルバイト、毎日が楽しくあっという間 冬休みも終わろうとしていた日の夜、
その日は、センパイはバイトが休みで俺と社長と年配の社員さんと三人で仕事をしていると、
車の車体を低くしたいわゆるシャコタンの車が、地面を蹴る様な爆音と共にスタンドに入って来た。

タカシ    はい、いらっしゃい。   OK!!

黒い車体の運転席側のウィンドウが開き頭の形が ツチノコみたいな茶髪のヤンキー兄ちゃんが
ハイオク三千円分と言って千円札を三枚渡した。

年配の社員   ハイ、ハイオクですね。

と言って年配の社員さんが燃料口に ピストル型のノズルを突っ込んでハイオクを入れている。
ウィンドウには、黒いフィルムが貼られて車内は何も見えなかったが
もう一人誰かがいるのは雰囲気で判った。

年配の社員   ハイ、ハイオク三千円分入りました。

ヤンキーの兄ちゃんは洗車するからと言って洗車機に車を入れた。

タカシ     ハイ、もう少し前です。    OKです。
        降りますか このまま車内にいますか?

ヤンキーの兄ちゃん  このままでいいよ。

タカシ    じゃあ、ブラシ廻しますよ。

と言って俺は スタートボタンを押した。

それは、赤・青・黄・白色のブラシが回転し まるでハワイアンダンスショーの様に
ブラシがクルクル回り 水とシャンプーが車体を洗い、そして綺麗になった車を
乾いたタオルでふきあげるのが俺の仕事である。

スタンドの街灯の光は薄暗く 洗車機から出てくる車の室内をかすかに照らすと
2人の男女が抱き合ってキスをしていた。

俺は見てはいけないモノを見たかのように気が動転したが 車内の2人は 俺には気付かず夢中である。
ヤンキーの兄ちゃんの手が 女性の胸の上で もぞもぞしているのが見えた。
そして次の瞬間 女性の顔が見えた。

どこかで見た覚えがあったが、でも俺にはこれぽっちも縁の無い人達で 知っているはずが無いのである。
俺は洗車機の後方に姿を隠して機械が止まるのを待った。
そして、洗車終わりました!! と大声で言ってやった。

スミマセン、拭きあげますのでこちらまで進んで下さいと言うと
先ほどまで楽しんでいたヤンキーの兄ちゃんは 拭かなくてもいいと言って国道に車を走らせた。

タカシ    有り難うございます。気を付けて!

プヮーァン♪ とクラクションを鳴らしながら走り去って行った。

しかし 、隣の席に座っていた女性の顔が頭から離れなかった。
そして、何かの拍子で恐ろしい事を思い出してしまった。
確かにあれは先輩の彼女、間違いなく先輩の彼女だった。

次の日、先輩と顔を会わしたが いやに胸がドキドキしてあの光景を思い出してしまう。
このことは、先輩に言うべきだろうかと考えたがやはり止めておく事にした。
先輩の夢を壊すのが怖かったのかも知れない。

そして、アルバイトも今日で終わり明日からは三学期が始まろうとしていた。

アルバイト料 二十日間、6万円
あともう少しであのバイクが手に入るのだ!




ラジオ・ドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 第9話

2013.12.06.19:15

「出会い・別れ・そしてバイク」
原作 MOTO-TOMO

第9話 「クリスマスイブ」

タカシ         MOTO☆TOMO
優           ゆき
管理局         西野武流
ナレーション      えりなちゅらる


トゥル- トゥルル~♪

タカシ   誰だよ、こんな夜更けに電話してきやがって。

イタズラ電話かと思いつつタカシは 携帯電話の画面を見るとそこには、
学生時代からの悪友で卒業後でも時々一緒にツーリングしている 優(マサル)からだった。

タカシ   優か、今何時だと思っているんだ 普通なら誰もが夢の世界旅行に出発している頃だぜ。

優     普通の人だったらね。
      昔からタカシさ、休日前には夜更かししていたから大丈夫だと思ってさ。

タカシ   何だよ用件は、どうせ悪い話だと思うけど。

優     実は、タカシ聞いてくれよ。

      又々始まったいつもの 「聞いてくれよ」 とタカシはつぶやいた。

優     二年間付き合っていた彼女から別れ話が持ち上がってさ、
      あっという間に 「サヨウナラ」の一言で別れてしまったんだよ。

タカシ   優の彼女て 同じ職場の女の子だろう。
     何だそんな事か、俺はまたとんでも無い事を言ってくるんだと思ったけど優よく有る話しじゃないか。

優     でも、タカシ 今日の夜はクリスマスイブなんだよ。
      イブが終わってからでも よかったんじゃないか?
      1人でイブを過ごすのは寂しいじゃないか。

タカシ   笑わすなよ、優。お前のその顔で・・・・・。

優     なぁ、タカシ。
      今から気晴らしに港まで 日の出を見に行かないか?

タカシ   イヤだよ。どうしておまえが彼女と別れた気晴らしに 俺がこんな寒い夜中、
      2・3時間かかるトコまで行かなくちゃならないんだよ。

優     いいじゃん、親友なんだから行こうよ。
      俺のマシンだったら2時間は掛からないけどタカシのバイクだったら3時間以上は掛かるからな。

タカシ   ナニ!! じゃあ行ってやろうじゃないか。

      あっ、しまった。
      いつもの手に引っ掛かってしまったと思った時には、話は2歩3歩前に進んでいた。

優     じゃぁ、今3時間半だから4時スタートでどうだ。
      遅くても向こうには、6時には着けるだろう。
      ちょうどいい時間帯じゃないか。

タカシ   おい、優。 そしたらどちらが先に港まで着くか勝負しようぜ。

優     よせやい、タカシ。
      勝つのは俺に決まっているだろう。

さつきまで彼女にフラレテ落ち込んでいたくせに・・・。と思いつつ
奴のマシンは、350ccで2サイクル水冷38 馬力で一般道を走れるレーサーレプリカでクソ速い。
通称、750キラーと呼ばれている。
俺のマシンは、750cc4サイクル65馬力とパワーと燃費は俺の勝ちだが奴のマシンの速さには勝てないだろう。

優     じゃぁ、何か掛けようぜ!  よし、うぅんブレックファーストはどうよ。

タカシ   朝飯か・・・。まぁ、いいか。
      4時ジャストにお互いの家から出発。
      あと15分後フェント無しだぜ。

優     わかってるさ俺の勝ちだぜ、朝飯ゴッチになるか。

腕時計のデジタルが   55・ 56・ 57・ 58・ 59 ・00・ GO!

俺のアパートから高速道路の入り口迄は、3キロほど一般道路を走った右手に標識が有る。
夜中の四時、空気が冷たいを飛び越えて痛い。
信号を止まるたびに メットのシールドが曇り 少しシールドを開けるその繰り返し・・・。
そして、高速の入り口に滑り込む・・・・。

湾岸線の標識が頭の上を通過して行く、大型のトラックが前方をふさぐ様に ノロリノロリと走っている、
いゃ、歩いているかの様に感じる。

速度計を見ると速度超過気味である そんなに急がなくても大丈夫だと言い聞かせながらアクセルを廻す。
道路側の反射板が次々と遠ざかって行く・・・・。

前方の加速線からは、車体を低くしたスポーツカーが パーティークラッカーを鳴らすかの様に飛び出して来た。
三台の湾岸線族が バトルモードで走り去っていく。

おい、おい こんな所で事故をしないでくれよ、事故で渋滞して優に負けるのは嫌だからな。

一台の赤いマシンが 大型トラックを追い越し そして続いて二台のマシンが追い掛けて行くと同時に、
前方の大型トラックで見えなかった 大型トラックが 横にサイドステップの様に出てきた。

赤いマシンを追い掛けていた二台目のマシンは、一番右側の追い越し車線に上手く交わしたが、
三台目は反対に左に交わした・・・。

所までは見えたが 前方のトラックも右に進路を変えたので状況は見えなくなった瞬間、
恐竜の叫び声かと思うほどの 甲高い音の振動がハンドルに伝わって来た。

そして前方のトラックの隙間から 路側帯に故障して停まっているトラックの後方に、
白いマシンが左サイドからぶち当たっていた。

ドライバーは、大型トラックがいきなり前方に飛び出して来たので 瞬間的にハンドルを左に切ったのだが
路側帯に止まっているトラックが見えて とっさにハンドルを右に切って左サイドから当たった様だ。

タカシは、ドライバーが生きているかどうなのかと思い 近くによって見るとうめき声が聞こえた。

タカシ   生きている。

早く救急車を呼ばないと思い付近を見渡すと非常電話が目に入った。
急いで走って行き受話器を取ると・・・・

管理局   ハイ、センターです。
      事故ですか、故障ですか?

タカシ   事故です。

管理局   現場は?

タカシ   えっと、318-2の非常電話の近くです。

管理局   怪我人はいますか?

タカシ   ドライバーの方が怪我をして呻(うめ)いています。

管理局   すぐに行きますから、其処にいてください

と言われてしまった。
ああ、これで朝飯をおごるハメになったと思ったが人の命と朝飯だったら人の命をとるだろう。
しばらくすると周りには赤々とランプが回りサイレンがコダマし 俺は事故の目撃者としていろいろ聞かれ、
しまいには一緒に走っていた仲間だと思われるのを否定するのに時間がかかり解放された頃には
橋の欄干(らんかん)から日が差し込んで来ていた。
そして港に着いた時には 予定の時間を2時間過ぎて優の姿は其処にはなかった。

優     おい、タカシ

と優の声が聞こえ振り替えると缶コーヒーが飛んできた。
慌てて掴んだら

タカシ   アチチィチィ~。
優     アハァハハハ~。
      お疲れさん、随分早かったな。

タカシ   それって皮肉か

と笑いながら答えた。

優     大丈夫だったのか?  
      サービスエリアの情報モニターで、湾岸線で事故が有って高速が通行止めで
      10KM渋滞と聞いて心配していたんだ。

タカシ   あぁ、ドライバーは何とか命は取り留めたらしいけど、よくまぁ助かったもんだょ。
あんなに車がクチャクチャになっていたのに。

優     お前を待っている間にさ、この近くをバイクで流していたら魚市場の中に食堂があったぞ
      そこで朝飯食べようぜ。

タカシ   仕方がない俺の負けだからな。

優     いいよ、今日は俺のために来てくれたから俺が・・・。
      ヤッパ、割り勘にしょうぜ。

タカシ   OK!

それは、港の風景が穏やかで少し冷たい海風が吹くクリスマスイブの朝の出来事・・・・。




                                 つづく

ラジオ・ドラマ 「出会い・別れ・そしてバイク」 第8話

2013.11.01.19:00

「出会い・別れ・そしてバイク」

原作 MOTO-TOMO

第8話 「悪夢・後編」

タカシ         MOTO☆TOMO
リカコ         えりなちゅらる
女性ライダー      ゆき
ナレーション      ゆき


10月の空は、夏の空より早く雲と太陽が西に走る。
まるで追いかけっこの様に・・・・。

腕時計を見ると 午後3時を過ぎた頃だった。

そろそろこの場所も、ツーリングから戻って来るマシンとライダーで 
いっぱいになる時間だ・・・・・混まない内に帰ろうとベンチから立ち上がり
ゆっくりとマシンの所に歩いて行きながら・・・・・・。

Gパンのポケットに 右手を突っ込み鍵をつかもうとしたが 金属ポイ物が指先に感じない。

タカシ  「あれ?」

と思い 身体中のあらゆるポケットに手を突っ込んでみたが キーが見つからなかった。

もしかして、ベンチからここまで来る間に落としたのかと 2・3回往復しながら探したが
見つからず レストハウスや手洗い所・自販機前と 動物園でシロクマがうろうろしているように捜し回ったが見つからなかった。

仕方がない リカコに連絡して予備キーをここまで持って来てもらおうと 携帯電話に掛けたが留守番電話で「御用の方はメッセージ・・・」と聞こえて来るだけ。

そしてやっとの事で リカコにと話せたのは一時間経ってからだった。

リカコ    「何、タカシ」

と少し怒った口調でリカコの一声(いっせい)が聞こえてきた。

タカシ    「あのさ、お願いが有るんだけど。」
       「バイクのキーを、持って来てほしんだけど良いかな?」

リカコ    「えっ、何処に?持って行くのよ」

タカシ    「それがさぁ、高速道路のサービスエリア」

タカシは、サービスエリアでマシンのキーを無くして何回も捜し回ったが見つからず藁(わら)にもスガル思いでリカコに電話した事を話した。

リカコ    「ダメよ!今日は。 美容室を予約してあるからダメ!! 行きません」

と返事が帰って来た。

リカコ    「だって髪は女の命なんだから」

タカシ    「そこを何とか 違う日に予約変更してもらってよ。お願いだからさ・・
        今度、欲しい物があったら 何でも買ってあげるからお願い」

リカコ    「本当に?」

タカシ    「本当、マジだから」

リカコ    「まぁ、一応 美容室に聞いてみるけど・・
        バイクを置いて電車かバスで帰って来たら」

タカシ    「あのね、ここは高速道路のサービスエリアだから 電車は走っていないよ」

リカコ    「何よ、その口調は。それて人に頼む人の言葉かしら」

タカシ    「あっ、ごめん。」

リカコ    「ふぅん、わかって!」    とリカコは言いながら電話を切った。

しばらくしてリカコから電話があり予約変更ができ今からアパートに鍵を取りに行って
ここに来ると・・・・。

タカシ   「リカコがここに到着するには 遅くとも2時間はかかるだろう」

とタカシは思った。

もう一度、リカコが到着するまで 落としたキーを探していると空からポタリと雨粒が落ちてきたと 思ったら急にバケツに水を満タンにしてひっくり返したかのように雨が振り出した。

そう、タカシの後方から近づいて来ていた物体は 雨雲だった。

タカシ   「くそ、降ってきやがった。今日は付いてないや。
       朝からマシンのバッテリーがあがるし・・・・
       キーを無くして最後に雨に遭うとは・・・・・」

タカシは、レストハウスの自動販売機の近くで雨宿りをしながら ジャケットのポケットに手を入れ何枚かの小銭を掴んで 「HOT DRINK マシン 」に小銭を入れボタンを押す。

「HOT DRINK マシン 」からは香ばしい香が漂う。

ペーパーカップに入った コーヒーを一口飲みながら 雨に打たれているマシンが
可哀想に見えてきた。

先程までパーキングにいた マシンとライダーは いつの間にか消えていなくなっていた。

タカシは 1人寂しくリカコが到着するのを待って パーキングの入り口付近を見ていると 
一台の紅いマシンが 雨に打たれながら飛び込んで来た。

タカシ      「あれは・・・山道ですれ違ったマシン」

ライダーは 駐車場にマシンを止め急いでレストハウスに走って来た。

タカシ      「大丈夫ですか?」    と自然と声を掛けてしまった。

女性ライダー   「あっ、ありがとうございます。 大丈夫です。」
         「急に雨が降って来て今日は最悪」    と彼女はつぶやいた。

タカシ      「そうですね 今日は最悪な日ですね
          俺、実はマシンのキーを無くして・・・・」
   
と言う言葉から始まり2人は「最悪の日」で話が盛り上がった。

タカシ      「でも凄いね、女性であのマシン。カッコいいね」

女性ライダー   「ありがとうございます」
         「あのマシン2年前に 亡くなった彼のお下がりなんです」

タカシ 「もしかして、あの林道で亡くなった。」

女性ライダー 「えっ、ご存知なんですか?」

タカシ 「うん。まぁ」

女性ライダー 「もしかして、あの缶コーヒーを 供えてくださった方ですか」
         「彼、あの缶コーヒーが好きだったから・・・・」

タカシ 「でも、知らなかったよ。 奴にこんな美人の彼女がいたなんて・・・」

パーキングの入り口から イギリス製の小さな車が入って来た。

タカシ     「リカコだ。」

小さい車は、子犬が吠えるかの様にクラックションを 疳高(かんたかく)く鳴らした。

俺は 紅いイタリア製マシンの彼女に挨拶をして リカコの所に走って車のドアを開けようとしたが ドアにはロックがされてあった。

タカシ    「おい、リカコ!  ドアを開けてくれよ」   と言うと。

リカコ    「どなた様ですか?   警察呼びますよ」  と返事が帰って来た。

タカシ    「何ふざけているんだよ!」

リカコ    「あそこにいる   女は誰よ!」
       「タカシさ、スケベそうな顔して楽しそうに しゃべっていたじゃん!」

タカシ    「あれは、偶然ここで出会った 亡くなった友人の彼女さ。」

リカコ    「ふぅん、   本当かな?」

タカシ    「本当だよ。   嘘だと思うなら聞いて来なよ」

するとドアのロックが解除された。

リカコ    「はい、鍵。  雨具も持って来てあげたよ 感謝しなさい」

と、リカコは鼻を高くしながら言っている。

タカシ    「チクショウ、リカコめ。
        しかし 今日の所はケンカはやめておこう 俺が悪いんだから」
とは口には出さなかった。


リカコ    「じゃあ、私 先に帰るわよ。
        雨だから気を付けて帰りなさいよ  飛ばしたらダメだからね」

タカシ    「うん、ありがとう」

駐輪場の屋根が有るところで雨具を着て ヘルメットの中に入れてあるグローブを取出し 
メットを被り マシンにキーを差し込み スタトーボタンを押すとマシンは眠りから目覚めた
ライオンの様に吠えた。

そして、グローブに手を入れると 何かが指先にふれた一瞬 タカシの身体の動きが止まった。

リカコ      「どうしたの?」

タカシ      「いや、何もないよ」

リカコ      「じゃぁ 行くね」

リカコが乗る イギリス製の小さい車のテールランプを見ながら タカシは・・・

タカシ      「このことは、リカコには黙っておこう。俺が墓場に行くまでわ・・・・
          グローブの中にキーが有った事を・・・・・」




「出会い・別れ・そしてバイク 」

マシンを走らせると 沢山のライダーとマシンに出会う。

初めて出会うライダーなのに ずうっと昔から知っているかの様に会話が弾む。

日常の生活では 無い事だ。
 
そしてそこには、いつもマシンがいる・・・・・・・。   




                      ・・・・・・・・「悪夢」   おわり


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